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■ ■ ■ グリーンキーパーのひとり言(23) ■ ■ ■

■川鵜(カワウ)のこと

この冬は本当に暖冬でした。
一度の積雪もなく、ゴルフ場にとっては大変良い冬でしたが、これほど異常気象だと、家電売り上げ、冬物衣料、スキー場、除雪業者等々、経済的にも様々な影響があったようです。 自然界でも平均気温が2~3℃も高くなると予想もつかないことが起こります。キーパー仲間では今年の虫の大発生を心配しています。
白鳥に代表される渡り鳥も今年は滞在期間が短く、鴨の数も少ないように感じます。当倶楽部にも様々な野生動物が生息していますが、 今回は全国的にも数が飛躍的に増加し、内陸漁業等にもかなりの被害を及ぼしている「川鵜」の話題です。

5号調整池
5号調整池

5号調整池
5号調整池

5号調整池
5号調整池

上の写真は、清澄の5号調整池(3番~4番ホール)周辺ですが、真っ白になっている樹木は、決して蔵王で見られるような樹氷ではありません。(笑)
川鵜の大群がコロニーをつくっている場所で、「糞害」です。川鵜の糞は、その昔愛知県で肥料の原料とされていたように、多量のリン酸が含まれていて樹木を枯死させるほどの成分です。 さらに糞による富栄養化は生息池の水質も悪化させ、その水をコース管理に使用せざるをえないのも頭痛の種です。

川鵜①
川鵜①

川鵜②
川鵜②

川鵜③
川鵜③

川鵜について調べると次のような記述があります。
「川鵜(カワウ)学名:Phalacrocorax carbo ペリカン目(またはコウノトリ目)、ウ科に分類される鳥類で、全長80~90cm、翼開長130~150cm、河川部や湖沼に生息する。
全体に黒色だが婚姻色が出ると頭部が白くなる。餌は魚類全般で、泳ぎがうまく、時に水深10m、時間1分以上の潜水が可能である。ただし、鵜飼い利用されるのは近縁の海鵜である。」

日本では一時環境悪化により激減したそうですが、1970年以降河川の浄化と餌の魚が増えるにつれて繁殖し、最近では害鳥扱いされています。当倶楽部でも私が赴任した6年前には、例の池にも数羽見られるだけでしたが、最近夕暮れ時に数えると70~80羽程いるのではないでしょうか。
繁殖は樹木の上や鉄塔等で行われ、春と秋が活発ですが、ほぼ1年中可能です。卵は約1ヶ月程度で孵化し、40~50日で巣立つらしいので、かなりの高速サイクルです。
体長も大きいために捕食する魚の量も膨大で、漁業関係者や釣り人も保護鳥からの除名運動を展開しているそうですが、未だに増加の一途をたどっています。
私も夕方の見回り時に少し脅かしてみたりするのですが、多勢に無勢で、一応なきながら飛び立つものの、安全を確認するとねぐらに戻ってきます。

他の水鳥①
他の水鳥①

他の水鳥②
他の水鳥②

他の水鳥③
他の水鳥③

鳥獣保護法が厳しくなって以来、自然界では個体数のバランスが、かえっておかしくなっているような気がします。決して、アユとカワウのどちらが大切といっているのではありません。例えば、アユが減ったら稚魚を放流する・・・川鵜はその人工飼育された動きの鈍い稚魚達を喜んで食べる・・・。
何かが変なのですが、人間が自然界をコントロールなどできないという事でしょうか?

 

 

清澄ゴルフ倶楽部 グリーンキーパー野呂田 峰

 

 

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