コラムColumn

グリーンキーパーのひとり言73

ベストシーズンに休業となったコース

ゴルフ業界に身を投じ、30年近くコースのメンテナンスに携わって来ましたが、過去に1度だけ大雪による長期休場の経験はあるものの、オンシーズンに2ケ月近く、お客様のいない状態でコースを維持するという、非常事態を今回経験することとなりました。
ゴルフ場全体からみると、当倶楽部のように「完全休業」していたところは、1割にも満たない認識ですが、同じゴルフ場でも、各クラブ運営形態は様々ですから、我々も色々な視点から議論を尽くした結果の決断でした。
雪や台風などの自然災害と異なり、今回の「新型コロナウイルス」という敵は、目にも見えず、感染経路や症状も世界中でまだまだ模索状態です。「3密」という言葉が流行語になりそうな「危険な状態」からすると、大自然の中でのびのびとプレーをするゴルフが、危険な行為という認識は、ほとんど持たれていないと思うのですが、「スポーツ、レジャー」というジャンルである以上、「不要不急の外出」とみなされることは致し方ありません。

  • リニューアルした看板とノースポール

  • 散水設備位置変更

  • 危険なマスの嵩上げ

4月8日の緊急事態宣言発令に合わせて休業した時期は、冬景色だったコースが芽吹き始め、一斉に緑を取り戻す最高の時期でした。ハウス前の案内看板もリニューアルし、周辺の花壇(ノースポール)も満開でお客様をお出迎え・・・ のはずが、ひっそりと日の目を見ないまま、今では夏の花(ポーチュラカ)に取って代わられています。
 しかしコース管理では、長期休業を前向きにとらえ、なかなか営業中では手を付けられなかったスプリンクラーの位置替えや、低すぎて危険だった排水マスの嵩上げ等、懸案事項を積極的にこなしていきました。

  • 時期を前倒したエアレーション

  • グリーン周りの芝補修

  • カート道周辺整備

グリーンの更新作業(エアレーション)も例年はプレーヤーへの影響を最小限にするために、5月中旬に実施していましたが、1ケ月後のオープンを想定して、4月のクローズ後速やかに実施しました。(結果的にはさらに緊急事態が延長となりましたが・・・)
 樹木の横根の影響で生育不良だったグリーン周りも伐根し、芝補修したエリアは養生期間十分で見違える状態になっています。

  • フロントの対策

  • レストランの対策

  • 乗用カートの対策

緊急事態宣言が解除され、6月からようやく営業を再開しましたが、まだまだコロナ禍前のようなお客様の動きには程遠い状態ですし、感染予防対策としてホームページにも謳っているように、様々なご不便をお掛けしています。
 ゴルフが決して不要不急ではないことは承知していますが、こんな時だからこそ余暇やスポーツの在り方は重要だと思うのです。体が健康でも、心が疲れてしまっては何にもなりませんから・・・
 コースは精一杯の準備をして、皆様のご来場をお待ちしております。

清澄ゴルフ倶楽部 グリーンキーパー 野呂田 峰

コラムトップへ戻る

アクセス Access

東松山I.Cよりお車でわずか10分