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グリーンキーパーのひとり言4

暗渠排水工事

ゴルフ場のコースメンテナンスをしていく中で、私が最も重要な事として考えているのは「コース内の排水」です。グリーン上はもちろん、ティー、フェアウェイ、ラフ、全ての場面で排水がとれていれば、その上で生育する芝を健全に育てることはそれほど難しいものではありません。排水不良はプレーヤーにとって不快なだけでなく、芝にとっても病虫害の原因となり、良いコンディションを保つ事が難しくなるのです。
当倶楽部は、大久保 昌氏の設計により造成時基本的な排水と客土がしっかり成されており、全般的には排水の良いコースです。しかし、芝の上には10年以上の歳月をかけて有機残渣が堆積し、部分的な排水不良箇所が発生し始めています。これを冬季中に改善し、良いコンディションでシーズンを迎えるために「暗渠排水工事」を行います。
 
■ 工事方法
 
暗渠排水工事には様々な手法がありますが、当倶楽部ではトレンチャーという溝掘り機を用いて「マス目状」に表面の芝切り、排水を取る方法を採用しています。

  • パワートレンチャー

①排水不良箇所の工事エリアを決定します。

  • コース全体図

  • 拡大図

②トレンチャーにより幅の狭い支線を掘ります。

  • 掘削風景

  • 支線断面図

③表面の芝をソッドカッターで切り、幅の広い本線を掘ります。

  • ソッドカッター芝切り

  • 掘削風景

  • 本線断面図

④本線には排水パイプを入れ、末端は既存の排水マスに接続します。パイプの上にはボラ土を充填します。

  • パイプ入れ風景

  • ボラ土は透水、保水共に優れた資材

  • ボラ土入れ風景

⑤支線にもボラ土を充填し、最後に砂を入れる。

  • ボラ土充填

  • 砂入れ風景

⑥本線に芝を張り、全体をローラー転圧、目砂をして終了です。

  • 芝張り風景

  • ローラー転圧風景

  • 作業終了

暗渠排水では、雨が降った後、なるべく早く表面水を切る事が重要です。以前はコースの傾斜に対して水を受ける形でユンボ等の大型機械で溝を掘り、パイプと資材を入れる工法が主流でした。しかし、この方法だと溝の上だけは排水改善されますが、全体の停滞水が地中に浸透するまでに時間がかかります。さらに夏場には溝上の芝だけが乾燥で焼けてしまう2次的被害も発生していました。

  • 細かいピッチでマス目状に切る「トレンチャー工法」は、これらの弱点をカバーし、早期に排水改善を図る良い方法です。今シーズンは特に状態の悪い7番ホール、12番ホールを施工しましたが、今後も順次進めていきたいと考えています。

清澄ゴルフ倶楽部 グリーンキーパー 野呂田 峰

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