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グリーンキーパーのひとり言46

2011年総括

3月11日が、つい先日の事のような、遠い昔の事のような不思議な感覚の年末です。
これまでは、ゴルフ業界や取り巻く様々な環境に目を向けて、日々生活してきましたが、今年は日本全体の存続に関わる大震災や原発事故により、自分の色々な価値観が変わったように感じています。混乱の中でも規律正しい国民性や、絆を大事にして助け合う精神など「日本人として誇りに思う」部分もある反面、政治家を筆頭に、早急に適切な行動ができず、「いつまでも閉塞感から抜け出せない」現状・・・
ゴルフ場を含めたサービス業は、企業や個人の豊かさが業績を左右します。「景気良くなれ!」と他力本願な呟きばかりでは芸がないので、今できること、これから進むべき方向を模索しながら新年を迎えたいと思います。

  • ハウス前景観池

  • オーバーフローマス

  • マスかさ上げ

当クラブでは、震災時震度5強でしたが、直接的な被害はハウス前の大きな池が壊れた(正確には歪んだ)ことでしょうか。
次の日の朝、何気なく見るビーチバンカーが、いつもの景色と違うのです。この池はオーバーフローマスから少し水が溢れる程度に維持することで常に満水を保っています。ところが、この日は泥の部分が露出し、バンカーが水面から出てしまっています。私は水が減ったのだと考えマスを確認しましたが、問題なく満水です。つまりバンカー側が隆起して高くなったか、マスが下がったか定かではありませんが、池が歪んでしまったことは事実です。
 
そこで最も安価な対応策で、オーバーフローのマスをかさ上げすることで池全体の水位を少し上げることにしました。これは写真のように簡単に成功したのですが、水を補給しても一晩で2cmほど水位が下がってしまいます。約12,000㎡もある池ですから、漏れている水量は大変なものです。池底のシートに亀裂が入り、その下の排水管から流出していることが予想されるのですが、全面改修には莫大な時間とお金がかかるので現実的ではありません。

  • 集水マス

  • 戻し水ポンプ

  • 配管工事

そこで排水ルートを確認し、集水マスで最も水量が集まってくるところを特定しました。それからマス底を改良し、一時的に水を貯めて漏れてきた水を元の池に戻す設備の工事をしました。このシステムで漏水の全てを戻すことはできませんが、散水ルートから補給し続ける必要は、とりあえずなくなりました。

  • ゴルフの真髄撮

  • 子鹿の群れ

  • 捕獲したイノシシ

震災直後はゴルフの自粛やガソリン不足などもあって、当クラブも開店休業状態でしたが、夏以降徐々に活気が戻り、明るい兆しが見え始めています。

そんな中、10月に行われたテレビ東京の「ゴルフの真髄」収録も楽しいイベントでした。12月17日(土)まで毎週土曜日に1ヶ月間にわたって放映されていました。御覧になられた方も多いと思いますが、我々も改めて画面の中のコースを見るとメンテナンスの気になる部分や再発見があり勉強になりました。そして自画自賛と怒られそうですが、清澄ゴルフ倶楽部は本当に良いコースだと改めて感じました。
 
それから、今年のコースメンテナンスで忘れてはならないのが、シカを筆頭に振り回された野生動物との戦いです。東松山市で初めて有害鳥獣駆除の許可をいただき、罠による捕獲を試みているのですが、成果は芳しくありません。頭数も増え続けているので、来シーズンも頭の痛い問題になりそうです。親子連れのシカなどは微笑ましい光景なのですが、以前もお伝えしたようにグリーンなどコースを傷つけられるので、黙って見ている訳にもいきません。
 
いずれにしても今年一年間、コース管理スタッフや様々な皆様の助けをお借りして、何とか無事に乗り切ることができました。本当にありがとうございました。
大変な年の次には「素晴らしい年」が来ると信じて、新年を迎えたいと思います。

清澄ゴルフ倶楽部 グリーンキーパー 野呂田 峰

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